老後の資金はいくら必要?
おすすめの資金形成開始時期

少子高齢社会に突入する近年では、多くの人が老後資金への不安を抱えるようになりました。また、年金や介護などの将来的な問題に備えるために、資産形成に関心を持つ人も増えています。

 

今回は、老後資金を目的とした資産形成を検討中の皆さんに、具体的に必要な金額やおすすめの形成方法、開始時期などをわかりやすく紹介していきます。

■老後資金はいくら必要?

老後に向けた資産形成の必要性をイメージするには、実際に定年退職後の暮らしに必要とされる金額をシミュレーションしてみるのが最も良いとされています。

 

◇実際にかかる老後資金

60~69歳の2人世帯における一般的な消費支出の約29万円を、定年の65歳から男女の平均寿命に近い85歳までの20年間使い続けると仮定した場合、老後資金におよそ7,000万円必要という計算が成り立ちます。

 

29万円(月々の消費支出)×12ヶ月×20万円(85歳まで生きた場合)=6,960万円

 

ちなみに29万円の内訳としては、次のような項目が挙げられます。

 

・食費 → 6.5~7.8万円

・交通通信費 → 3.5~5万円

・娯楽、教養費 → 2.0~3.2万円

・交際費 → 2.3~3.5万円

 

各家庭の支出状況は、夫婦のライフスタイルや生活環境、地域によっても大きく変わる実態があります。そのため、こうした情報はあくまでも目安であると捉えた上で、まずは自分が老後にどんな暮らしをしたいのかを思い描くことが、資産形成に向けた第一歩となります。

 

◇老後資金の確保に資金形成が必要な理由

老後に向けて貯蓄すべき金額は、前述の式で算出した約7,000万円から、次の項目分を引いたおよそ3,000万円です。ちなみにこの金額は、金融庁の独自試算でもほぼ同じ数字が報告されています。

 

・年金

・退職金

・企業年金

 

若いうちに組んだ住宅ローンを払いながら、子供のために学資保険などをかけている一般家庭では、夫婦にそれなりの収入があっても65歳までに3,000万円もの貯蓄をするのはかなり難しい実情があります。また、終身雇用制度が崩壊しつつある日本では、退職金が全額もらえる65歳まで働き続けられる保証もなくなってきているのです。

 

そのため、老後に向けたさまざまなリスクに備える上でも、資産形成の重要性に注目が集まり始めています。

 

 

■老後のための資金形成のおすすめ開始時期

少ない月々の負担で目標額を目指すためには、やはり早い時期から資産形成をスタートさせるのが理想です。ちなみに各年代の中間年齢(25歳・35歳・45歳)で3,000万円の貯蓄をする場合、次のように非常に多くのお金を貯める必要が出てきます。

 

・20代半ばから老後資金の準備を始める場合 → 6.25万円

・30代半ばから老後資金の準備を始める場合 → 8.3万円

・40代半ばから老後資金の準備を始める場合 → 12.5万円

 

定年まで20年ある45歳でも月々10万円以上の貯金が必要と考えると、日々の暮らしに支障をきたさない資産形成開始は、40代がリミットであると捉えた方が良いでしょう。

 

 

■老後のための資金形成方法BEST5

老後に向けた資産形成では、次の5つの方法がおすすめとなります。

 

◇個人年金保険

積立額よりも多くのお金を受け取れる、老後資金の準備を目的とした保険です。生命保険とは別の控除枠が設けられた個人年金保険は、節税重視の資産形成にもおすすめ度の高い種類となります。

 

一般的には、60歳もしくは65歳から、5年・10年・15年ごとに年金としてお金が受け取れるシステムです。この保険を途中解約した場合、元本割れになるリスクがあります。

 

◇養老保険

死亡保険と満期保険が支払われる養老保険は、万が一のリスクに備えながら貯蓄もできる便利な保険です。満期保険額や支払いタイミングも各自が設定できるこの保険では、老後の生活資金だけでなく、それぞれの使い道に合ったプランが立てられます。

 

養老保険のデメリットは、保険料が割高で、早期解約による解約返戻金が少ないことです。

 

◇財形貯蓄

毎月の給与やボーナスから天引きで積み立てられる財形貯蓄は、一般企業における福利厚生の一種です。利用可能なコースは、勤務先の財形状況によって変わってくる特徴があります。

 

財形貯蓄には、住宅資金の公的融資や、住宅財形と年金財形を合算して550万円までの非課税制度の利用ができるメリットもあります。株や投資信託、不動産などと比べてリスクの少ない財形貯蓄は、初心者におすすめの資産形成方法です。

 

◇積立投資

毎月一定額の投資信託を購入する積立投資は、長い期間をかけて数千万円もの大きな資産形成を目標とするときに、おすすめ度の高い選択肢です。ファンドマネージャーが運用をしてくれるこの方法には、ネット証券利用で100円から投資のできる魅力もあります。

 

つみたてNISAやiDeCoといった制度利用をした場合、積立投資で生じた利益の節税も可能となります。そんな積立投資の難点は、投資資金が多いときの機会損失リスクや、短期保有ではメリットが十分に得られないことです。

 

◇一括投資

一括投資は、自分が決めた日に投資信託のまとめ買いができる方法です。全てのお金を運用にまわせる一括投資には、少額から始められる積立投資と比べてハイリスク・ハイリターンになりやすい特徴があります。

 

個人投資家を対象としたNISAは、一括投資との相性が非常に良い税制優遇措置です。毎年120万円までの非課税枠が5年で最大600万円まで設定されるNISAの制度を利用した場合、一括投資ならではの上昇局面への強さを活かしやすくなります。

 

また、基準価額や株価が右肩上がりの時期に120万円の一括投資をすれば、積立投資と比べて遥かに高いリターンにより、短期間で大きな老後資金を増やすことも可能となるのです。

 

 

■まとめ

金融庁の独自試算でも最大3,000万円が必要とされた老後資金は、若いうちから準備するのが理想です。少ない負担で資産形成にするには、40代をタイムリミットと捉えて早めに行動を起こす必要があります。

老後資金に適した資産形成方法には、次の5種類があります。

・個人年金保険

・養老保険

・財形貯蓄

・積立投資

・一括投資

この中から自分のライフスタイルに合ったものを選択するには、今持っている投資資金や65歳までに貯蓄したい具体的な金額、各方法のメリット・デメリットなどから総合的な判断をするのが理想となるでしょう。